制作過程
展覧会の際によく作品に使っている石膏下地のことを聞かれるので、 その作り方を動画にまとめてみました。 まず石膏下地を使う意味を説明しています。
石膏の説明の前に「接着剤」として使う「ウサギ膠」のことについて述べています。 ここでは粒状の膠を水で膨潤させる際の比率について話をしています。
石膏下地の場合、普通の油絵で使うキャンバスではなく、 パネルに布を貼ってそこに下地を塗っていきます。 この場面ではパネルに貼る布の裁断方法を紹介しています。
前述した膠を水で溶かした「膠水」を使って布をパネルに貼っていきます。 裏面だけではなく、表面からもしっかり染み渡らせて塗っていくのがコツです。
いよいよ石膏が登場します。 ボローニャ石膏、チタニウムホワイトのピグメント(粉)、そして膠水との配合比を説明しています。
前述の石膏などの配合比のものをボウルやヘラでしっかり混ぜていきます。 見た目には料理をしているように見えるかもしれません。
しっかり混ぜ合わせてペースト状にした石膏などを一度冷蔵庫で冷やしてゼリー状にしています。 こうすることによって画面に塗りやすく、また埋めにくい布目にも石膏を入れやすくなります。
ゴムベラを使ってゼリー状の石膏を塗っていきます。 「塗る」というよりも「刷り込んでいく」という表現の方が適切かもしれません。
石膏を塗り乾いた画面を研磨していきます。 ここでは「紙やすり」ではなく「耐水ペーパー」を用います。
最後に全体を通してのまとめを載せておきました。 キャンバスに直接描くことを考えれば随分手間がかかる下地ですが、面白い効果も得られます。 興味があれば一度試していただきたいです。
Youtubeでこちらの制作過程を一連の動画で紹介しています。ぜひご覧ください。「大路誠 石膏下地作り」