制作過程
実制作の制作過程の動画での紹介。今回は「紫陽花」の制作過程を載せています。 まずはトレーシングペーパーに下絵を写し取り、それを作品画面へと転写していきます。
トレーシングペーパーの裏面に溶き油を使わずパサパサ状態の油絵具を塗っていきます。 油分が多いと画面を汚してしまうので「塗る」というよりも「刷り込んでいく」ように絵具を塗っていきます。
ボールペンを使ってトレーシングペーパーの下絵の線をなぞっていきます。 カーボン紙を使ったように画面に下絵が転写されていきます。 なぞった線がわかりやすいように赤色などの色付きのボールペンを使います。
「カマイユ」と呼ばれる単色でデッサンをするように形を作っていく描画方法を紹介しています。 単色でデッサンを終えてから着彩に進みます。
背景を塗っていく場面です。最終的には黒っぽくなる背景ですが、「黒色」の絵具を使うのではなく 「青色(コバルトブルーかウルトラマリン)」と「焦げ茶色(バーントアンバー)」を交互に重ねながら黒色を表現していきます。 画面が逆さまなのは描きにくいところは角度を変えて描いてます、ということです。
先ほど述べた青色と焦げ茶色を重ねて黒色を作る方法の紹介です。 完全に乾いた青色の上に焦げ茶色を塗っていきます。 両方の色が「混ざる」のではなく「重なり合って」黒い色に見えてきます。
固有色を付けていきます。 カマイユによってデッサンができた上にそれぞれの色を塗っていきます。 濃くベタッと塗るのではなく、水彩のように薄い色を「かける」ように塗っていきます。
固有色を塗って、今度は明るい部分だけを白色系を用いて明度を上げていきます。 暗い部分には塗りません。 固有色→白色浮出(白色系で明部を塗る)→固有色→白色浮出…、という工程を繰り返します。
完成した姿です。 転写の方法。明るい部分と暗い部分の差をいかに出すか。背景の黒色の作り方。 これらを見ていただければ面白いかなと思います。
Youtubeでこちらの制作過程を一連の動画で紹介しています。ぜひご覧ください。「大路誠 油彩画制作公開『紫陽花』」